平成26年10月28日の仙台は、晴れわたっていた。昭和33年土木卒の仲間が、全国から集まってきた。3年前から「一度は見学しておきたい」と願っていた災害や復興の状況を、この目にしっかりと焼きつけておくためだ。
希望としては、広く全貌を見ること、と共に一箇所を深く詳細に知ることだが、如何にしてコンタクトすればいいのか悩むところであった。が、幸いにも、大林道路職員に先導の労を願い、また岩手県大槌町の都市整備課長に復興状況の説明を受けることができた。前者は参加仲間の木村悌士氏の関係で、後者はC74の青木利博氏が神戸市震災復興の経験を生かして大槌町復興の陣頭指揮を執っている関係からである。
私ども総勢7名(金山、木村、中森、長谷川、播本、平田、森下)は、大型ワゴン車に同乗して、三陸道~奥松島パークライン~国道45線海岸沿道路~石巻~北上川河口~志津川~気仙沼を走行し、気仙沼のホテルに宿泊。
翌日は、リアス・アーク美術館にて震災常設展を鑑賞、また陸前高田の大規模盛土工事のベルトコンベアー設備に驚嘆、奇跡の一本松も話のタネに見物できた。午後は、今回の最大の目的である大槌町の被災状況と復興計画について詳細な説明を聞き、続いて町中を隈なく見学した。震災時の人口15994人のうち死亡者と行方不明者合わせて1234人、町職員136人のうち40人が死亡、家屋倒壊62%、水没面積52%という率的に最大の被災地である。
復興計画は、土地区画整理事業、防災集団移転促進事業、漁業集落防災機能強化事業によるが、地域ごとの希望を尊重し、きめ細かい。工事は包括発注方式により全面的に着手しているが、職員の確保・用地の確保・施工業者等の確保・盛土資材の確保など事業上の課題は山積している。
36名の部下(町職員、全国から支援の職員など)を督励しながら単身赴任で奮闘する青木課長を激励し、地元の仮設旅館に2泊目の宿をとった。
3日目は、釜石市立鉄の歴史館、遠野カッパ淵、伝承園、重要文化財・南部曲り屋千葉家,登山を兼ねて「続石(つづきいし)」などを観光した。午後3時にJR新花巻駅にて解散、それぞれの帰途についた。
<2014-11-12> 金山正吾(C58)
本原稿・写真は,C58金山正吾様よりご投稿いただきました.ホームページにてご紹介させていただきます.